安心価格のいい葬儀

安心価格のいい葬儀 葬儀の初めから終わりまでご紹介します

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葬送の変化 墓地と散骨

散骨を希望する人

海や山、さらに墓地でも散骨は禁止されていると思われてきました。

埋葬と焼骨の埋蔵は、「墓地」以外に区域で行ってはならないという「墓地、埋葬等に関する法律」の規定や、「刑法」第190条の死体・遺骨遺棄罪などの法に触れるだろうといわれてきたのです。

ところが91年に葬送の市民グループが遺灰を海に散骨しました。厚生省では散骨について、「埋葬法において禁止した規定はなく、国民の意識、宗教的感情の動向を注意深く見守っていきたい」としています。

散骨を行って良いとしているわけではなく、動向などを見守っている状況です。

都民調査では、散骨を「したい」人は14%でした。それに対して「したくない」は85%と圧倒的に多いという結果でした。自分が散骨を希望するかどうかでいえば「したい」という人は少数です。

ただ、男女とも若年層ほど「したい」が多くなる傾向がみられ、今後は希望者が増えることも考えられます。

散骨「したい」は未婚者に多く(20%)、自分の葬儀との関連をみると、葬儀を「行いたくない」と答えた人ほど散骨希望者が(48%)高くなっています。

逆に葬儀を伝統的な様式で行いたいと答えた人では、散骨希望者は5%と低くなっています。散骨希望者のなかで、「すべての骨を散骨したい」が56%と過半数を超え、「分骨にして散骨したい」は27%でした。

「散骨」を希望する背景には、人間も自然の一部であるとして、自然に帰りたいという強いあこがれがあります。「早く自然に帰るほうがよい」という自然派34%でした。

また、散骨を志向根底には、上昇する墓地の値段や寺・霊園のあり方に対する疑問、承継者の問題などがあるようです。

また、増え続ける墓地のもたらす環境破壊への心配をする人もいます。

その人たちは「今後はこの形が望ましい」という人が17%、メモリアル派の「思い出に残るところがあるから」は11%でした。環境保護派は、当然「すべての骨を散骨したい」という人が多く、「海がすきだから」「思い出に残るところがあるから」といった自然の場所にこだわった人は「分骨」での散骨希望が多いようです。

「散骨をして」といわれたら

これまでは、「自分」が散骨を希望するか否かでみてきましたが、「もしあなたの身内や親しい人から散骨をしてほしいと言われたら、あなたはどうするか」、今度は遺族側の立場にたって考えてみたいと思います。

都民要望に関する世論調査では、「何とかして希望をかなえる」(55%)が過半数を超え、「本人の希望とはいえ、散骨は一般化していないし、法律や制度などが整備されていないので、墓地に埋葬する」(22%)、散骨に反対なので、墓地に埋葬する」(18%)と続きました。

「何とかして希望をかなえる」と答えた人は、男女ともに若年層、未婚者に多く、とくに20代女性は75%が「希望をかなえる」と回答しています。

また、散骨容認者には「墓は長系単位で使うもの」「墓は長男(または長女)が守るべき」といった家意識を残す項目に、「そうは思わない」と否定する人が多く、逆に家を超えた項目の「墓石の刻み文字等は『○○家』以外自由でよい」「夫婦が同じ墓に入る必要がない」「親しい者同士で一緒の墓に入ってもよい」を支持する人が6割から7割を超えています。

散骨を支持する人は、単に自然を志向するだけではなく、残存する「家」意識への疑問ともいえるような傾向が見受けられました。

ちなみに墓を所有しているか否かでは、所有していない人に「何とかして(散骨の)希望をかなえる」が1割程度多いものの、大きな差はみられませんでした。

散骨の相談は

散骨については、法律や規制で定められたものがありません、また、社会的に認められた慣行というほどのものでもありませんので、こうすれば良いということもいえませんが、遺骨を破棄するためではなく、あくまで葬送を目的として灰状にして原型を残さない形にし、散布する場所も他人の感情をそこなったり、迷惑にならないよう、配慮して節度をもって行う必要があります。

現在は、遺族が個人的に、または市民グループや散骨を請け負ってくれる業者に依頼し、それぞれが「自主規制」をしながらという形で行っています。

散骨を希望するときは、まず、情報を提供してくれるところもありますので相談するのがよいでしょう。

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