葬儀の流れ 喪の期間
グリーフワーク・日本の喪の習俗
日本の習俗においては葬儀後の儀礼も大切にしてきました。
これは家族を失った悲しみのなかにある人がその悲しみを癒し、回復するプロセスが必要であるという認識があってのことで、こうした喪の習俗は日本以外にもみられます。
グリーフワーク
欧米においてもグリーフワーク(直訳すると悲しみの作業)といい、遺族が死をみつめ、悲しみを大事にして過ごすことが大切なこととされています。
また周囲の人もこの悲しみに寄り添い、ケアすることが大切だとされています。
悲しみの期間は、人により、どんな死に方をしたのか、故人との関係によって異なります。
死の直後には元気であった人が後から急激に悲嘆におちいることもあります。
この悲しみにある人に対しての周囲のケアは、けっして高所から助言したり意見したりせず、自らが遺族と同じ目線で接し、悲しみにある人の話に耳を傾けること。
好意であっても「元気を出しなさい」「がんばって」などと精神的な負担になるような励ましをしないことです。
また「悲しみを忘れなさい」「泣かないで」「すぐ忘れるわよ」なども必ずしも適切な表現ではないとされます。
悲嘆から不眠になったり、怒りぽっくなったり、無気力になったり、食事が細くなったりすることもあり、悲しみを外にださないで抑制すると精神的のみならず身体的にも状態が悪くなることもあります。
愛する人を失って悲嘆におちいることは当然のことですし、また、きちんと悲しみをあらわすことによって自然に治癒していくものです。だが、ときに心身症におちいったりすることもあるので周囲の優しい見守りが必要となります。
日本の喪の習俗
日本では死後四十九日(50日)を特に大切にし、仏教習俗では7日ごとに集まって法要を繰り返します(七回目が7×7=49日にあたるので、四十九日を「七七日」とよぶ)
四十九日間のことを「忌中」とよび、死の衝撃の強い期間と位置づけますが、死を忌まわしいものととらえる「忌中」」という表現を使わない人もいます。
神道では五十日祭(または一年祭)の翌日に清祓いの儀を行い、神棚を封じていた白紙を取り除く霊璽(仏教の位牌に相当)を祖霊舎に合祀します。
喪中は約1年(13ヶ月)をいいます。
四十九日後にも百ヶ日法要、一年目の命日は「一周忌」とよびます(仏教のなかでも「忌」の文字を排して「一周会」とよぶ動きも一部にある。神道では「一年祭」とよぶ)。
2年目の命日は数えで計算して「三回忌」となります。
キリスト教のカトリックでは「命日祭」プロテスタントでは「記念会」を適当な機会に行うことがありす。
死後、1年から2年は悲嘆を強くもった遺族もいて、特に周囲の人の優しいケアが必要となる期間です。月や年の命日や故人の誕生日、結婚記念日になると悲しみをぶり返す記念日症候群におちいる遺族もいます。