葬儀の費用 葬儀費用を考える
1952年以来、年間70万人前後だったわが国の死亡者数は1995年には90万人を数え、後期高齢者人口(75歳以上)の増加がピークになる2010年前後には、年間死亡数が140万人に迫るともいわれます。
家族形態の変容や少子化、個々の価値観の変化などと合わせ、今後は自分の葬儀や墓について考える人も多くなるでしょう
葬儀費用はいくらかかる
葬儀費用は、葬祭業者、寺院関係、香典返し、飲食・接待費、その他の費用を合計するとかなりの費用になります。
自宅で行った葬儀の平均支払額は357万円最も安い集会場でも297万円かかっています。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)
香典でまかなえるか
葬儀費用は香典でどのくらいまかなえているのでしょうか。「香典で大部分をまかなえた」という人は3分の1で、6割の人は「香典では全く足りなかった」ようです。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)
準備は必要か
葬儀の費用は香典ではすべてまかなえないということで準備をする人は多いようですが、準備状況はどうでしょうか。
まず、自分の葬儀の準備をしている人は全体の4分の1、残りの4分3は準備をしていません。
ただし、70歳以上の場合には5割を越える人が準備しています。
また準備をしている人の準備の内容としては、「生命保険を葬儀の費用にあてる」「預貯金をしている」「互助会に入っている」という人が多いようです。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)
葬儀費用を考える
葬儀の費用は、ほとんどが現金で支払われるため、即座に現金化しやすい預貯金をしている人が多いようです。
都民調査では、その目標は316万円でした。
現在の葬儀費用を前提にしてのことでしょう。果たして葬儀のために300万円も準備する必要があるのでしょうか。さまざまな選択肢もあります。
自分の葬儀をどうしたいのか、どのくらいの費用にしたいのか、もう一度考えてからでもいいのではないでしょうか。
サービスを賢く購入する
葬祭業者の行うサービスにはどのようなものがあるか整理してみましょう。
ほとんどの業者は、納棺から司会進行、式場、僧侶・神官・牧師の紹介から飲食・ハイヤー・バスの手配まで行っています。
葬儀は、緊急を要するので、必要とサービスや、葬祭業者に依頼する内容などを前もって考えておきたいものです。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)
費用はどのように決めるか
葬儀費用はどのようにして決めたらよいのでしょうか。
葬祭業者が用意している費用の決め方としては、6割が基本部分のセット料金に別個の追加サービス・用品を見積でたしていく方法をとっているようです。
こうした場合は、基本部分がどのようなものか確かめておく必要があります。
全部見積で出す企業も3割ほどあります。葬儀一式で料金が決まっているものも1割弱ありますが、一式の内容に余分がないかどうか検討の必要があります。
きちんと積み上げて決めたい場合は、全部見積で出す方法を、基本部分は定型のほうがよいと思われる場合はセット料金型の方法をとるのがよいでしょう。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)
見積を作成してもらおう
最近では、見積書を「必ず交わす」という業者が8割以上ありますが、「施主からの要求があれば交わす」、あるいは「口頭での約束のみ」という葬祭業者も2割弱あります。
緊急で忙しいときであるからこそ、うやむやにせず書面で明確にするほうが賢明です。
見積書は必ず作成してもらうように心がけましょう。
費用には会葬者の人数によって変動するものがありますので、見積の数が余った場合の処置についても確認しておきましょう。
出典:葬儀にかかわる費用等調査96年(東京文化局)