天台宗の年中行事
天 台 宗

[12月31日〜1月6日]

修正会

  修正会とは正月に修する法会のことで、奈良時代にはじまったと言われています。当時は護
 国的性格が強いものでしたが現在では新年を迎えるにあたり前年に犯した悔いを改め、世の中
 の平安を祈ることを目的としています。

[1月3日]

元三会

  比叡山中興の祖とも仰がれた、第18世天台座主慈恵大師良源が入寂したのが永観3年(985)のこの日であったことから、その法要を「元三会」と称して行います。良源は観音菩
薩や不動明王の化身、あるいは魔除けの大師、豆大師、角大師とも称され、民家の門戸にその
 護符を貼る地方もあります。

[1月14日]

  祖最澄の偉業を継承し、今日の天台宗の基盤を確立させた第四世天台座主慈覚大師円仁が入
寂したのが貞観6年(862)のこの日であったことにちなんで行われる法要です。「華芳」
 は円仁が葬られた谷の名称とされています。円仁の死後2年目に大師号が送られたのが日本に
おける大師号の始まりとされています。

[1月26日]

開宗記念法要

  天台宗は「法華経」を依拠し各派融合の下に発足しました。延暦25年(806)のこの
日、太政官によって公式の出家者として勅許され、一宗として認められたことを記念して開
 かれます。

[2月22日]

太子講

  推古天皇の摂政として大陸文化の導入を積極的に進め、「三経義○」を著し、法隆寺等を
 建立した聖徳太子は日本仏教全体の祖とも言うことが出来ます。天台宗では特にこの太子の
 忌日に法会が行われます。

「3月17日]

天皇講

  最澄の入唐求法が成就し、一宗として独立することが認められたのも、当時の桓武天皇の
 尽力に大きくあずかっていました。天台宗では天皇の国忌に法会を行うことで、その因果
 報酬を修します。

[6月4日]

出家会

 最澄が示寂したこの日、その徳を称える為に行う法会です。「伝教会」「六月会」とも言います。そもそもは最澄示寂の翌年に、弟子である円仁・円澄が法華十講を修したのがその起こりとされています。かって10日間にもわたる長期の法華経講讃の法会であり、長講会とも言われていました。

[8月18日]

宗祖降誕会
 天平2(766)年、近江国滋賀郡古一郷に最澄が降誕したのを祝う日です。幼名を広野と言いました。大師の生い立ちに触れ、その報恩謝徳を修心で法要が営まれます。

[10月2日]

慈眼講
 徳川氏の帰依を受け、関東を中心に活躍、寛永寺を開いた慈眼大師天海の忌日にその報恩謝徳のために修する法会です。
 護摩壇に設けられた炉に、煩悩を意味する薪を焚きながら修する行法で、諸願成就を祈るものです。お寺毎に特に日を定めて、年中行事や月例行事として随時行われることが多い様です。

[大般若会
 『大般若波羅密多経』600巻を転読して悪事災難を払い、般若の智彗を輝かせ、福徳円満と長寿・健康を祈祷するものです。法会にあったては先ず、経本をパラパラと繰りますが、これは智彗の風を吹き起こして煩悩を吹き払うことを意味し、経題を大声を張り上げて読み上げるのは内外の災いを退散させるとされています。