浄土宗の年中行事
浄 土 宗
[年中行事]

[1月1日〜3日]
 修正会
 新年を言祝ぎ、檀家・信徒の幸せを祈る法会です。仏教系各派及び神道などに共通してみられる祭事ですが、特に浄土宗の場合には「無量寿経」において、極楽浄土の様子を顕わした一文『天下和順/日月清明/風雨以時/災癘不起/国豊民安/兵戈無用/崇徳興仁/務修礼譲』が読誦され、一年の安寧が祈願されます。

[1月25日(又は4月、5月中旬)] 
御忌法会 
法然上人の命日に行われる行事です。「おんき」とは呼ばず「ぎょき」と読みます。これは本来、天皇や皇后の法会の時に用いられる呼び習わし方ですが、大永4(1524)年に後柏原天皇の勅命によって、この法会が営まれたことに由来するものです。
法会では念仏の教えの肝要として往生する2日前にしたためられた「一枚起せ清文」を読んで上人を偲びます。

[2月29日]
 鎭西忌
 嘉禎4(1238)年に77歳で往生した浄土宗の第2祖、聖光房弁長、大紹正宗国師、鎭西上人の忌日に行われる行事です。鎭西とは弁長の出身地に因んだ呼び名で、その地にあたる九州には上人開いた善導寺であり、上人の御遺骸もそこに葬られています。

[3月14日] 
善導忌。高祖忌
 中国の浄土念仏宗の祖師であり、法然上人が日本で開宗する際の寄り所とした「観無量寿経疏」を著した善導大師の忌日に行われる行事です。この時に「発願文」が読み上げられます。

[4月7日] 
宗祖降誕会
 法然上人が現在の岡山県で長承2(1133)年に生まれたことを喜び、その遺徳をしのぶものです。この日、浄土宗の各寺院では香華を供え、誕生に際しては天から上人が降りて来たという故事に因んで白旗が2本立てられます。

[7月6日] 
記主忌
 弘安10(1287)年に89歳で往生した浄土宗の第3祖、然阿良忠上人の命日の法要です。上人は、その送り名が「記主禅師」とされたことからもわかる通り、数多くの著述を行い、浄土宗の教学を大成させました。

[10月15日] 
十夜法要。お十夜
 元来は、平貞国が京都の真如堂で行った10日間の”おこもり”が起源となっています。後に鎌倉光明寺の観誉裕崇上人が後土御門天皇の勅命を受けて行われてから、全国の寺院にも広がって行きました。現在では3日や1日という様に短くなっています。
この他、特に時期を定めないものとして
[開山忌]
 日は各寺によって異なります。昔は山を切り開いて寺院を建立したことから、それぞれのお寺を創立した僧侶を開山上人と呼び習わします。お寺によっては、これを記念した開山堂や、開山上人以下、歴代の住職の位牌などを安置した位牌堂などがある場合、それらで祭事が行われることが一般的です。
[授戒会]
 戒名は死んでから付けられるのでは無く、本来は生きている内に授けられるべきものです。浄土宗における授戒式は、まず観戒師から授戒についての教えを受け、教授師から儀式の指導を受け、伝戒師から戒を受け、戒名を記した戒牒を頂いて終了します。必要な日数は7〜1日と様々ですが、これら三師は各寺院の住職が兼ねて行われることが多い様です。
[五重相伝]
 浄土宗の信仰を深める為の講習会の様なものです。季節の良い頃に8日程の期間をかけて行われます。修了者には「誉号」が授与され、これは法名にも○誉□□という形でつけられます。また、生前に、この五重相伝をうけられなかった場合、その功徳を回向する「贈五重」という制度もあります。