お仏壇選び・7つのポイント
お仏壇の価値はどこできまるの?
金仏壇は金箔と漆の塗り方、
唐木仏壇は唐木の種類と唐木の割合がポイント。

 種類がわかったところで、つぎは価値の違いです。
 一般の人が見てお仏壇の価値が見分けにくい理由の一つは、それが専門の職人によってつくられる伝統工芸品だから、という事情があります。職人が伝統の技を駆使してつくる細かい細工の善し悪しまでを見極めるのは容易ではありません。
 そこで、そのような細かい点は省いて、お仏壇の価格を決定する明確な基準について説明しましょう。
 
 【金仏壇】
  金仏壇では、使われている金箔の質と量が価格に大きく影響します。金箔には細工が施せるようにわずかな量の銀と銅が混ぜられています。純度は高い順に1号色〜4号色となり、最も純度の高いのが1号色。またその厚さにによって、一枚掛、二枚掛、と分類され、四枚掛がもっとも高価になります。高級品は漆を塗って仕上げますが、回数が多いほど耐久性に富み高価になります。漆でなくカシューという塗料を使ったものもあります。

 【唐木仏壇】
  唐木仏壇は、唐木と呼ばれる木材の木目の美しさが特徴のお仏壇です。価格はまずその木材の種類で決まります。しかし、同じ木材でも善し悪しがありますから、一概にどの木材よりも高価であるとは言えません。ただ、一般的には「ポイント2」であげた木材であれば、まず良い素材だと考えることができます。
 また、唐木仏壇のほとんどは、唐木だけでできているわけではありません。高価な唐木を節約するとともに、木材の反りを防ぐために、別の木を芯材に使い、厚さ5?〜7?の唐木の板を貼りつけて作ります。これを「練り工法」と言いますが、前面だけに貼りつけているもの、側面や裏側にまで貼りつけているものもあり、唐木が使われている割合が多いほど高価なお仏壇になります。中にはツキ板といって、紙のように薄くスライスした唐木を貼ったものや、唐木模様を印刷したもの、さらにはフイルムに木目を印刷して貼り付けたものなどがあります。
 これらがお仏壇の価格を決める主な要素になっているため、大きいお仏壇よりも小さいお仏壇の方が高いということもあり得るわけです。そして、その違いは年月を経るごとにはっきりと現れてきます。簡単に言えば、高級品は長い時間美しい状態を保ちますが、そうでもないものは傷みやすいということです。時間の経過とともに、印刷の木目がかすれたり、ツキ板が剥がれたりすることも起こってくるわけです。また、高級品は「仏壇のお洗濯」といって修理ができるようになっていますが、低価格のものは修理することができない場合も多いのです。
 しかし、新品の場合、一般の人にはこのような違いが見分けられないことでしょう。
 大丈夫です。わからなければ店員さんに聞けば良いのです。ぜひ、納得するまで聞いてみてください。皆さんの疑問にきちんと応えてくれる店、それが良い仏壇店の条件だと私たちは考えます。
 お仏壇の価値について簡単に説明をしましたが、別に安価なお仏壇を購入することが悪いわけではありません。ただ、低価格のものはどうしても傷みやすく、修理ができないこともある、という点を知ったうえで購入しないと、後で後悔することになってしまいます。